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社説

激化する米中対立 新冷戦にしてはならない

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 米国と中国の対立が激しさを増している。

 米国は南部テキサス州ヒューストンの中国総領事館を「スパイ活動と知的財産窃取の拠点」になっていると主張して閉鎖した。

 対抗措置として中国は四川省成都の米国総領事館を閉鎖した。「米国の理不尽なふるまい」を理由にしている。

 自国民の保護や地域交流の拠点となる在外公館の閉鎖は、外交の断絶にもつながる異例の判断だ。

 軍事面でも緊張は高まっている。米軍は南シナ海に空母2隻を派遣して演習を行った。中国も対抗して訓練を実施している。

 米大統領選での劣勢が伝えられる中、中国批判を強めることで支持固めを図ろうとするトランプ大統領の思惑もあろう。

 しかし、最近の米政権幹部の言動は選挙対策の域を超え、中国への敵意すら感じさせる。とくに標的にしているのが中国共産党だ。

 ポンペオ国務長官は演説で「我々が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変える」と警戒感を示し、「民主主義国家の新たな同盟」を構築すると訴えた。

 敵対国に悪のレッテルを貼り、同盟国とともに封じ込めを狙うのは、東西冷戦時にソ連に対してとった米国の戦略だ。それを想起させる思惑が演説からは透けて見える。だが、現実的だろうか。

 世界を2陣営に分かち、軍事力を結集し、経済をブロック化して、どちらかが疲弊して倒れるまで戦う。それはどの国の利益にもならないだろう。米中対立を「新冷戦」に発展させてはならない。

 中国による南シナ海の軍事化や香港民主派への威圧は、国際社会のルールや自由・人権の規範に反し、民主的な国際秩序を脅かしている。とはいえ国家体制の転換を迫る米側の発言は乱暴に過ぎる。

 米中が対立激化を制御できなければ、偶発的な衝突も起こり得る。そうなれば世界に与える影響は計り知れない。ともに大国としての責任を自覚すべきだ。

 米中は長い競争の時代にある。両国にとって肝要なのは、協調の余地をなくさないことだろう。

 対話の枠組みを再建し、共通の利害を話し合い、困難な課題を管理する。こうした取り組みなしに互いの信頼回復は望めない。

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