メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

恋ふらむ鳥は

/63 澤田瞳子 画 村田涼平

 

「待て。善光(ぜんこう)はともかく、なんで俺までが」

 これまで公の官職とは無縁だっただけに、漢(あや)は思わずその場に跳(は)ね立った。すると鎌足(かまたり)は分厚い唇を小さく歪(ゆが)め、小指の先でぽりぽりと眉間を搔(か)いた。

「どういうわけもこういうわけもありません。漢王子さまは葛城(あやのみこ   かつらぎ)さまの異父兄にして、亡き先女王(さきのおおきみ)のご長男。かようなお方が善光さまとともに難波津でお待ちくだされば、ほうほうの体でこの国に逃げ着いた難民たちは、倭(わ)が百済(くだら)の衆にどれほど心を砕いているかを悟り、さぞ安堵(あんど)いたしましょうほどに」

「馬鹿ぬかせ。俺なんぞが行ったって、糞(くそ)の役にも立たねえぞ」

この記事は有料記事です。

残り787文字(全文1108文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 腹の虫がおさまらない?マメガムシ食べられてもカエルの尻から脱出 神戸大

  2. 療養ホテル、沖縄は1カ月半「ゼロ」 菅氏が批判、知事は「予想より早く感染者増えた」

  3. 療養ホテル確保数「ゼロ」の沖縄に不快感 菅氏「何回となく促した」

  4. ベトナムで感染力強い型のコロナ流行か 首相「拡大防止へ重要な時期」

  5. ORICON NEWS 香取慎吾「こんなにテレビ出れないか」独立から3年のホンネ 草なぎの大河出演にガッツポーズ

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです