生物が持つ機能や特徴を模倣して、役立つ技術を開発する研究分野がある。「バイオミメティクス」と呼ばれ、観察技術の向上などを背景に、近年急速に進展している。また、生物の実際の成長過程もまねすることで、低コストで生産する方法も見いだされている。
バイオミメティクスは古くて新しい技術と言われる。イタリアの芸術家レオナルド・ダビンチが、鳥の観察を元に飛行機を作ったのが一例とされる。20世紀前半には、蚕の絹糸をまねた化学繊維のナイロンや、キク科の草のオナモミに倣った面ファスナーが実用化された。公立千歳科学技術大(北海道千歳市)の下村政嗣教授(高分子科学)は「遺伝子組み換えなど生物の働きを活用するバイオテクノロジーとは異なり、生物の機能を人間の力で再現する技術」と説明する。
再現するためには、生物の体などの構造を電子顕微鏡などで詳しく調べる。こうした観察技術の進展を背景に、微細な構造を人工的に作る研究が進んでいる。
この記事は有料記事です。
残り1369文字(全文1776文字)
毎時01分更新
日本と韓国は、葛藤を乗り越えられないまま、2021年の歩み…
新型コロナウイルスの感染拡大や緊急事態宣言の再発令を受け、…
終息が見えない新型コロナウイルスについて、菅義偉首相ら政府…