2020年、コロナ禍の東京メガシティー 「生きているぞ」の声求め 写真家・初沢亜利さん出版
毎日新聞
2020/7/31 東京夕刊
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写真家、初沢亜利さんが新型コロナウイルスの感染拡大で日常が一変した東京をひたすら歩き、写真集「東京、コロナ禍。」(柏書房)を出版した。大きな不安と小さな喜びを交錯させつつ、日々、違った表情を見せ続けるメガシティー。ページを開くと、誰もがその場にいたかのような錯覚にとらわれ、ページを閉じると、しばし自らの明日を考えずにはいられない。
私よりひと回り年下の初沢さんは古い友人だ。新宿の酒場で夜な夜な飲んできた。とにかくフットワークが軽い。歌舞伎町の居酒屋で、北朝鮮に行ってきますよ、と告げ、隣人の素顔を探しに地方都市にまで足を延ばしたかと思えば、ゴールデン街のバーで、辺野古の埋め立てはけしからん、と顔を赤らめ、そのまま沖縄に住み込んだこともあった。昨夏は「NOアベ!」のプラカードが揺れる韓国・ソウルででくわした。催涙ガスまみれで香…
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