九州豪雨 妻を失った小森さん 君の愛した街で「いつかまた民泊を」 大分・天ケ瀬温泉
毎日新聞
2020/7/31 西部夕刊
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各地に大きな爪痕を残した九州豪雨で、大分県日田市天瀬町の小森孝子さん(72)は、氾濫した玖珠川の濁流に流され、その後死亡が確認された。民泊兼自宅を構えた天ケ瀬温泉街を「第二の古里」と呼んで愛した孝子さん。遺族は今も大きな喪失感の中にいる。
孝子さん方は、玖珠川沿いに旅館が建ち並ぶ温泉街の一角にある。川の氾濫で家に濁流が流れ込んだのは7日朝。激しい雨音の中、1階にいた夫の満雄さん(70)は「戸が浮いてる」という孝子さんの声を聞いた。
水につかりながら声がした方に進むと、玄関の外で引き戸を押さえる孝子さんの姿が目に入った。驚いて「何をやっているの!」と叫んだが、直後に孝子さんは満雄さんと目を合わせたまま流され、行方が分からなくなった。満雄さんは「戸を押さえて、屋内のものを守ろうとしたのだろうか」と想像する。
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