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余録

「日紡大垣工場に奇病発生」…

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 「日紡(にちぼう)大垣工場に奇病発生」。1918(大正7)年9月20日に謎の熱病発生の記事が地方紙に載ったのが、その始まりだったという。次いで26日に大津の歩兵第9連隊で400人の感冒(かんぼう)患者が出たと報道された▲スペイン風邪の本流行の日本での始まりである。実は同じ年の春にはその先触れとみられる小流行があった。この本流行は「第2波」ということになる。本流行にも前後二つの波があって、翌年暮れからの第3波は後流行と呼ばれる▲ともあれ最も多くの死者が出たのは第2波で、ウイルスの毒性が春の流行より格段に強まったのだ。今度の新型コロナがそうならぬよう願うが、「第2波」という時に秋から冬を想定するのはインフルエンザや風邪の経験ゆえだろう▲だが東京都知事が今の感染拡大を「これが第2波」と語るのを聞けば、何を今さらと思う人もいよう。大阪や名古屋などの感染急拡大、全国の新規感染者の急増を見れば、身にじわじわ迫る「波」の圧力を感じぬ方がどうかしていよう▲第1波に比べての重症者の少なさや医療体制の余裕を強調し、「第2波」の言葉を避ける政府である。これには医療現場から反論が出たのはご存じの通りだ。それを何と呼ぼうと、この感染拡大の勢いでは医療の逼迫(ひっぱく)は時間の問題だ▲不審なのは、つのる不安のさなか政治のトップリーダーから直接国民に訴えるメッセージが何も聞こえてこないことである。「第2波」と口にしない限り、第2波は来ないという令和の言霊(ことだま)信仰なのか。

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