新型コロナウイルスを克服後、世界経済はどのようなかたちで新たな成長軌道を見いだすのだろうか。戦後七十数年にわたり、経済成長をけん引してきた自動車に象徴される産業の仕組みや構造が、全く違う風景になるかもしれない。主役が交代する時代となる。コロナの渦中にある現在の状況は、大きな変化を前にした一時的な苦境にある――。そんな記事が欧州の経済誌に掲載されるようになった。1970年代後半からの経済成長を支えてきたのは、もはや製造業ではなく、債務と金融であることは経済史の専門家が明らかにしているが、2020年は新たな転換を象徴する歴史的な年である。
世界保健機関(WHO)がパンデミック(世界的大流行)を表明してから4カ月余りが過ぎた。世界経済は厳しいマイナス成長となり、日米欧は過去に例がない巨額の財政出動と金融緩和を実行しているが、回復基調に転換するにはまだ時間がかかるようだ。一方、ワクチンの開発競争が激しさを増し、先進国では医療体制も整い始めるなど、新しい仕組みによる世界経済の成長が始まるのである。
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