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九州豪雨

2020年6月、梅雨前線の影響で九州各地が記録的な大雨に見舞われました。被害や復興の状況を伝えます。

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職員わずか6人「もう少し時間があれば」 千寿園、間に合わなかった避難

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球磨川の氾濫による浸水で入所者14人が犠牲となった特別養護老人ホーム「千寿園」=熊本県球磨村で2020年7月4日午前11時44分、本社ヘリから田鍋公也撮影
球磨川の氾濫による浸水で入所者14人が犠牲となった特別養護老人ホーム「千寿園」=熊本県球磨村で2020年7月4日午前11時44分、本社ヘリから田鍋公也撮影

 7月3日から降り続く雨は日付をまたいで勢いを増し、熊本県球磨(くま)村渡(わたり)地区の特別養護老人ホーム「千寿園」の屋根や地面を激しく打ちつけていた。

マンパワーの不足、14人濁流に

 「川の近くにいる人はすぐに避難してください」。園の約300メートル南には1級河川の球磨川が、すぐわきには球磨川の支流「小川」が流れている。闇夜を突いて繰り返し避難を呼びかける消防無線の声は施設内にも聞こえていた。約60人の入所者に対し、当直職員は5人。入所者には認知症の人や要介護度の重い人も多い。園の様子が心配になって近隣住人が一人また一人と駆けつけてきた。

 4日午前4時50分、気象庁が大雨特別警報を発令。山側からの土石流を警戒した職員らは、南側の建物に入所者を集めたが、その間に球磨川の水位は急速に上昇した。危険を感じた職員と近隣住人の計十数人が午前6時前後から手分けして入所者を2階に誘導。施設にエレベーターはなく、体の不自由な人は数人がか…

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