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社説

コロナの政府対応 再びブレーキを踏む時だ

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 新型コロナウイルスの感染が全国に拡大している。専門家による政府の分科会は「多くの自治体で患者が増え、医療提供体制への負荷が蓄積している」と警鐘を鳴らした。

 感染者の増加は東京や大阪で始まり、福岡、愛知、沖縄などに波及した。新規感染の半数以上は感染経路が不明だ。判明した中では家庭内や宴会など会食の場、職場内での感染が増えている。

 当初、感染の中心は東京の繁華街の飲食店に通う若者だった。今は全国の広い世代に及び、さまざまな場に広がりつつある。

 政府は緊急事態宣言解除後、経済活動の再開を促してきた。観光振興策「Go Toトラベル」事業も前倒しで始めた。

 感染再拡大は、ある程度予想できた。しかしこのまま放置すれば感染が高齢者に広がり、重症例が増えて医療崩壊を招きかねない。

 独自の対策を打ち出す自治体も出始めた。東京都は飲食店に営業時間短縮を要請した。大阪府や沖縄県も規制に踏み切った。

 知事らは政府に休業補償への支援を求めている。医師会など医療の現場からも「手を打たなければ日本が火だるまになる」との声が上がっている。

 にもかかわらず、政府の対応には危機感が感じられない。菅義偉官房長官は「3、4月より重症者が少ない」として、緊急事態宣言を再発令することには消極的だ。

 コロナとの闘いは、長期化が避けられない。経済を再生させるアクセルと、感染拡大防止というブレーキを、状況に応じて巧みに操る必要がある。今は、感染拡大の抑止を最優先する時だ。

 Go Toトラベル事業は一旦停止すべきだ。東京発着を除外する措置も、感染が全国に広がる現状からは合理性を欠く。

 第1波の感染爆発を抑え込む過程で、日本は多くを学んだ。「3密」の環境や大声を出す場の感染リスクが明らかになる一方、屋外活動や買い物、通勤などは適切な予防策でリスクを減らせることも分かった。

 その知見を生かし、メリハリのある対策を講じることは可能だ。政府は専門家の意見に耳を傾け、地方との連携を強化して拡大防止に力を注いでほしい。

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