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コロナ時代の転勤「精神的につらい」 東京から地方、海外へ 家族への負担増大

夫の転勤に伴い「都会とは違う地方での感染の恐ろしさを感じた」と話す女性

 東京から地方、海外へ――。新型コロナウイルスの終息が見通せない中、人事異動で転勤する会社員やその家族にはこれまでにない大きな負担がかかっている。2週間の隔離、地方の厳しい視線、子どものいじめへの不安……。「家族に迷惑をかけ、精神的にもつらい」。コロナ下で苦悩する転勤族をリポートする。【賀川智子】

 東京都内で暮らす40代の女性は9月に東北地方に転勤する予定だ。共働きの夫、小学生と未就学児の4人家族で引っ越すという。

 「まずは保育園の下見を」。7月下旬、女性は地元の保育園に電話をした。職員の女性は園の方針などを熱心に語ってくれた。

 だが、ここからがコロナ前と事情が違っていた。

 「東京からの引っ越しです」

 そう告げると「そうですか……」と一瞬間が空いた。いったん電話が保留になった後、職員が言った。

 「県内で2週間待機して感染していないことを確認してから見学に来てほしい」

 最初の説明ではそんな説明はなかった。女性は「今の状況を考えるとしょうがない」と思いながらも悲しくなった。「東京の人はこう見られているんだな」

 さらにハードルがある。引っ越し先の自治体の決まりで、入園前には子どもとの面談があり、その前にも再び2週間の待機があるのだ。「これじゃ待機期間中は仕事も何もできないじゃない」

 待機要請などは保育園や学校ごとに異なり、国や自治体の統一基準もないことに困っている。

 「こうなったら、有給休暇を削るしかない……」

 上の子の転校も不安だ。

 「学校や学童(クラブ)で、東京から来たことでいじめや差別をされないだろうか」

 東日本大震災(2011年)の原発事故で福島の子がいじめられたことが頭をよぎる。また、今年は夏休みが短く新学期に間に合いそうにない。東京は臨時休校が地方よりも長かったので、学習の遅れも心配している。女性は思う。

 「家族で感染に気を付けて過ごしていても、引っ越し先で迷惑をかけるか分からない。今はこんなリスクを伴う転勤はなくしてほしい」

 では、実際に地方に転勤した家族はどうだったのだろう。

 別の40代の女性は4月に東京都内から東北地方に引っ越した。夫の転勤である。小学生の子どもがいるので、転勤が決まった3月に学校…

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