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「やっと前に進める」 熊本・芦北町白石地区の孤立解消 県道復旧工事完了

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孤立状態が解消し、災害ごみの搬出が始まった白石地区=熊本県芦北町で2020年8月1日午前9時34分、津村豊和撮影

 九州豪雨で被災した熊本県芦北(あしきた)町の白石(しろいし)地区で1日、崩落した県道の仮復旧工事が完了して約1カ月ぶりに孤立状態が解消した。これまで9世帯23人がとどまっていたが、県道が開通してごみ収集車や重機を積んだトラックが続々と入り、災害廃棄物の撤去がようやく本格化。熊本県内の孤立集落は、球磨村の境目(さかいめ)地区(8月中旬に解消の見通し)が残るだけとなった。

 町役場から東約10キロにある白石地区は、氾濫した球磨川の左岸沿いに建ち並ぶ住宅の浸水被害が相次ぎ、唯一のアクセス道路の県道は護岸もろとも数十メートルにわたって崩落した。これまで集落の約2キロ手前までしか車が入れなかったが、国土交通省九州地方整備局の応急工事が完了。住民の車や緊急車両、災害支援車両の通行が可能となった。

孤立状態が解消し、消防団員らと災害ごみの搬出をする白石地区の住民(左)=熊本県芦北町で2020年8月1日午前9時14分、津村豊和撮影

 1日は熊本県人吉市で34・6度と今年の最高気温を記録。日差しが照りつける中、消防団やボランティアらが朝から白石地区に入り、道路脇などに積み重なった廃棄物を次々と撤去した。

 デコポン農家を目指して研修中の山本章太さん(29)は、山積みとなったままの廃棄物にたまりかねて7月下旬、玄関に「HELP‼」と書いて支援を求めた。それだけに重機で回収作業が進められる様子に「やっと前に進める」と笑顔を見せた。5年ほど前まで地区で夫と新聞販売店をしていた女性(72)は「復興から取り残されているような気持ちだった。片付けを支援してもらいありがたい」と話した。

 孤立中、住民らは被災して不通となっているJR肥薩線の線路伝いに歩き、車が使える地点まで往復していた。食料、飲料などの支援物資は自衛隊や消防団が徒歩で運び、住民は谷の水を生活用水に使うこともあったという。

孤立状態が解消し、災害ごみの搬出が始まった白石地区=熊本県芦北町で2020年8月1日午前9時半、津村豊和撮影

 自宅の1階が水没し、2階で避難生活を続ける主婦(71)は風呂が使えないため、懐中電灯を手に近所の人と線路伝いに歩き、そこから送迎バスで近隣の温泉施設へ通っていた。「片付けでヘトヘトになって、風呂で汗を流しても、帰り道でまた汗をかいた」

 7月中旬に北九州市門司区から帰省し、被災した実家を片付けている今坂健治さん(69)は「(車の使える場所まで)坂道を歩かなければならずしんどい思いをした」と孤立状態の解消を喜んだ。【中里顕】

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