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医学部合格 柔道・朝比奈沙羅さんに聞く学習法 「限界より少しだけがんばる」

柔道の世界選手権女子78キロ超級3位決定戦、ブラジルのマリアセレン・アルトマン(左)から一本を奪う朝比奈沙羅=東京・日本武道館で2019年8月31日、徳野仁子撮影

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 夏を制する者は受験を制す――。夏休み期間中は、自宅で勉強する機会が増える。しかし学校と違い、周囲にはテレビやインターネットなどの誘惑が多い。どうすれば集中して取り組めるのか。毎日小学生新聞は「自宅学習」をテーマに、柔道の全日本代表選手で、今年の春、独協医科大学医学部に入学した朝比奈沙羅さんに話を聞いた。【長岡平助】

 朝比奈さんは小学2年生から柔道を始め、2018年の世界選手権で優勝するなど、多くの結果を残している。

 一方で親族に医師がいたこともあり、幼い頃から医師を目指していた。医師になるには、まず医学部に入学しなければならない。医学部は入ることが難しく、狭き門といわれる。朝比奈さんは、公立小学校から東京都にある渋谷教育学園渋谷中・高に進み、医学部を受験したが失敗。しかし、その後も諦めずに勉強を続け、今春、医学部に見事合格した。

 朝比奈さんは、自宅でどのように勉強していたのか。

 「高校卒業まで、柔道の練習は2~3時間くらいで、それが週に6、7日です。その中で、小学生の時から帰宅後に1日2時間、必ず机に向かうようにしていました」

 疲れていたり気分が乗らなかったりしても「習慣づけてしまえば苦ではなかった」と朝比奈さんは言う。

 合宿などで家を離れる際も、勉強道具を持参し、できるだけ2時間の勉強時間を確保するようにした。しかし、どうしても勉強できない日もある。そんなときは翌日、前日できなかった分を補うなどして、その時その場に応じて融通を利かせた。

 「絶対に2時間と決めると、できなかったときにイライラが募ります。また、決して無理はしないようにしていました。柔道でも勉強でも、無理をして200%がんばろうとすると、けがをしたり燃え尽きたりしてしまいます」

 自分で勉強するときのコツについて、朝比奈さんは「限界を知っておくこと」だと語る。

独協医科大学に合格した朝比奈沙羅さん=本人提供

 「私の場合は2時間なら集中できるというめどが立っていました。その上で、人間は102%、103%の努力はできるので、限界より少しだけがんばるようにしていました。2、3%のはみ出た分が積み重なって、やがて結果につながるのではないかと思います」

「何を分かっていないか」洗い出して

 自宅で勉強する方法や心構えを、朝比奈さんに詳しく聞いた。

 Q 自宅ではどのように勉強していましたか。

 朝比奈さん 自宅に勉強部屋はなく、ダイニングテーブルで勉強していました。

 Q ノートの取り方のコツは。

 朝比奈さん ノートは自分が後で見て、分かることが大事だと思います。授業を振り返りながら、自分の中に知識を落とし込むためのものですから。

 Q 成績を伸ばす方法は。

 朝比奈さん 自分が何を分かっていないかを洗い出し、確かにするとよいと思います。私自身、中学2年生から柔道の代表合宿や海外遠征で授業に出られないことが少なくなく、知識が虫食いだったので困りました。高校2年生くらいから塾に通うようになり、そこで分からないところが分かって成績が伸びるようになりました。

 Q 得意教科は。

 朝比奈さん 小学生の時は理科、中学生の時は英語です。国語や社会は苦手でした。中学受験の時は、柔道で勉強時間を取れないこともあり、過去に出題されたものを中心に取り組み「取りこぼさない」ことに力を注ぎました。また、勉強は強い気持ちがないと続かないので、まずは分かりそうな問題からやり、だんだん難しいものにチャレンジしていきました。

 Q 柔道と勉強の両立で苦しかったことはありますか。

 朝比奈さん どちらも私は本気で取り組んでいたのですが、どちらの側からも「中途半端」と批判されることがあり、悲しかったです。高校3年の大学受験の時は、遅れを取り戻そうと無理に勉強をしすぎて、燃え尽きそうになりました。その時は父に「じゃあ、やめれば」と言われ、ムカッとしてがんばることにしました。結果として受験には失敗するのですが、不合格と分かったときに二日二晩流した涙が悔し涙だったので、やはり自分は医師になりたいのだと改めて気づきました。

 Q 将来はどんな医師になりたいですか。

 朝比奈さん 整形外科医、小児科医、麻酔科医に興味があります。選手として自分が一番お世話になったのが整形外科医なので、自分の経験が生かせるのではないかと思います。小児科医は私が子どもが好きなのと、今国内で不足しているので。麻酔科医は父がそうだというのもありますが、手術を前にした患者さんの心に寄り添うなど、さまざまな役割を担っているからです。

朝比奈さんからメッセージ 「愛が努力につながる」

 何かを愛せることはすてきなことです。勉強でもスポーツでも他人でも、あるいは自分の夢や希望でもかまいません。愛せるものを見つけてください。愛せるものを見つけると、そこから生まれる熱意が努力につながります。努力は誰かに言われてやるものでもできるものでもなく、自分でするものですから。そして愛があれば、どんなつらいこともきっと乗り越えられると思います。

朝比奈沙羅(あさひな・さら)1996年、東京生まれ。2017年、全日本選手権、世界無差別選手権で優勝。18年、世界選手権(78キロ超級)で優勝。20年、独協医科大学医学部に入学。

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