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社説

千代田区長の「解散」通知 自治の原則に反している

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 地方自治のルールを大きく逸脱した行為である。

 東京都千代田区で区長が区議会の解散を一方的に通知し、議会の反発を招いている。区選挙管理委員会は無効と判断したが、区長は態度を改めず、混乱が続いている。

 ことの発端は、石川雅己区長による不動産取得問題だ。石川氏は家族との共有名義で区内の高級住宅街にマンションを購入したが、土地所有者らを対象とする優遇枠が用いられていた。

 区議会は購入経緯に疑問があるとして調査権限を持つ「百条委員会」を設置した。石川氏の委員会での陳述に虚偽があったなどとして、刑事告発することを決めた。

 ところが、石川氏はこれを「事実上の不信任」決議とみなしたうえで議会を解散したと主張し、問題化している。

 地方自治法は、地方議会が総議員の3分の2以上で会議を開き、4分の3以上の多数で不信任を議決した際は、首長は議会を解散するか、失職すると定める。また、災害や感染症対策の予算が2度にわたり否決、減額された場合も、不信任決議を受けたとみなすことができるとの規定がある。

 だが、百条委が法に基づく活動をしたことを理由に「不信任を議決した」とみなすことなどできない。議長が解散通知の受け取りを拒み、選管が無効と判断したのは当然である。

 日本の地方自治では首長、地方議員ともに住民から直接選出される。このため、不信任を議決するハードルを高くし、両者の独立性を尊重している。議会が気にいらないからといって首長が恣意(しい)的に解散できるようなことになれば、自治制度の根幹が揺らぐ。

 石川氏は「解散された」として議会への出席を拒んでいる。新型コロナウイルス対策での住民への一律12万円支給について議会の承認を経ず、専決処分で行う可能性も示唆している。全区議は解散通知の無効確認を求めて提訴した。

 首長と地方議会を巡ってはかつて、鹿児島県阿久根市長(当時)が議会を無視した専決処分を繰り返した。首長の議会軽視は行政に深刻な弊害をもたらす。

 石川氏の責任は大きい。速やかに解散通知は無効だったと認め、事態を自ら収拾すべきだ。

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