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創作の原点

作家・梁石日さん 苛烈な父、力強く生きた母

梁石日さん=藤井太郎撮影

 作家の梁石日さん(83)は代表作『血と骨』(1998年)で実父をモデルにした人物「金俊平」を出現させた。朝鮮半島の南西・済州島出身で、体が大きく、人並み外れた体力と欲望を持つ男。極道も逃げ出すほどの凶暴性、自宅近くに愛人と暮らし、家族に暴力を振るう。作家が自らのルーツと記憶を極限まで掘り下げ、30年代から戦後にかけての大阪を舞台に神話的ともいえる物語世界を創出した。

 「金俊平」はあくまでも小説上の人物だが、自伝的エッセー『修羅を生きる』(95年)などからは、父を巡る同様の逸話を読むことができる。梁さんと父との断絶と確執は、深く決定的だ。「毎日親父(おやじ)の暴力におびえて暮らしているわけです。親父には憎しみしかなかった。家族は一番弱い存在でしょう。子どもとして絶対に許せなかった」。当時の在日コリアンが置かれていた状況にも言及し、「アプリオリ(先験的)に虐げら…

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