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虐待防止に奔走10年 シングルマザーに刺さった長女の言葉と「ある事件」

幼子2人が餓死した現場マンションを訪れ、知人とともに手を合わせる辻由起子さん(左)=大阪市西区で2020年7月30日、小出洋平撮影

 もし、自分が同じ状況に置かれたら、虐待しないと言えますか――。悲惨な虐待事件が繰り返される中、同じ境遇にある母親や子どもたちを支援しているシングルマザーの女性がいる。「母親をバッシングしても虐待はなくならない」。女性はそう訴え、ボランティアで続けてきた活動は10年を迎えた。女性の背中を押してきたのは、かつて幼い娘を虐待してしまった苦い記憶と、10年前の「ある事件」だった。

 大阪府茨木市の社会福祉士、辻由起子さん(46)。旧家に生まれ、地域でも有数の高校を出たが、アルバイト先で出会った先輩と18歳で結婚。「お前は俺の嫁になる運命や」という言葉を信じ、6畳一間の安アパートで新婚生活を始めた。

 しかし夫は働きもせず暴力を振るい、鼻の骨が折れるまで殴られたことも。19歳で長女を産んだが、愛情はわかなかった。大学を中退。働いて家計を支えた。「この子さえいなければ別れられるのに」。怒りにまかせて娘に手を上げ、後悔にさいなまれて自らの命を絶とうとしたこともある。

 すべてを吹っ切るように、23歳で離婚した。喫茶店やスーパーの店員、塾講師、工場の作業員。アルバイトを掛け持ちし、一人で子どもを育てた。

 そんなある日、中学生になった長女がインターネットに書き込んだ言葉が目に飛び込んだ。

 「早くお母さん死んで」

 胸をえぐられる思いだった。「この子のことを愛したいのに。自分はなぜ暴力なんて振る…

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