毎日新聞
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新型コロナウイルスの感染急拡大によって、米国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で32%も減り、過去最大の落ち込みになった。
都市封鎖が相次ぎ、店舗休業や工場停止などで経済活動がまひしたためだ。マイナス幅はリーマン・ショック時の8%を大きく超え、深刻な危機が鮮明となった。
世界経済にとって懸念されるのは、超大国である米国の景気停滞が長期化することだ。
日本経済も今年度、リーマン・ショックを超すマイナス成長に陥る見通しになるなど、各国でコロナ危機の収束が見えていない。米国の回復が遅れると、世界経済はさらに冷え込みかねない。
米国では今、感染の再拡大が経済の足かせとなっている。
店舗営業や外出規制の権限を持つ各州は5月以降、感染のピークが過ぎたと判断し、規制緩和に動き出した。だが、経済活動の再開に伴い、感染も急増した。
各州で規制緩和を中断する動きが広がり、4月を最悪期に回復傾向にあった消費などは急速に停滞感が強まっている。それでも感染の拡大に歯止めがかからなければ、景気が再び大きく悪化する「二番底」に向かう恐れがある。
感染が再び広がった州の多くは、感染の収束を見極めずに経済再開を急いだと言われる。早期再開を促したのはトランプ大統領だ。大統領選をにらんで景気の「V字回復」をアピールしようと、感染防止より経済を優先させる考えを繰り返し強調してきた。
だが、経済活動は本来、感染防止と両立させる必要がある。拙速な再開は結局、景気回復を遅らせるからだ。トランプ氏が自らに都合のいいように政策をゆがめたとすれば、極めて問題だ。
感染の再拡大が深刻化しても、トランプ氏が新たな対策を打ち出すなど指導力を発揮する場面は見られない。米政府と議会では現在、景気を下支えする財政出動の策定が焦点となっているが、交渉が難航しているのも心配だ。
米国は感染者が世界最多の400万人超と際立っている。一方、超大国として世界経済を安定させる責任もある。トランプ氏はこうした立場を自覚して、経済活動の再開は慎重に行うべきだ。
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