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女の気持ち

ベーカリーと私 宮城県石巻市・松川康子(パート・53歳)

 小学校高学年のころだっただろうか。自宅から10分ほどのところに「純情」という、まるで純喫茶のような名前の店ができた。初めて「ベーカリー」というものを認識したその店に、よく通った。

 「純情、行ってくる」

 4人も入ればいっぱいの店に、小遣いをため毎回1人で出かけた。自ら選んだパンをトレーに載せていく行為が、スーパーの袋入りのパンしか知らなかった私にとっては、とてもワクワクする大人びたものに感じられた。

 中でも大好きだったのが、デニッシュ生地が何層にも重なったハート形のパンだ。帰宅するなり、パン生地の層を帯をほどくようにはがしながら、上に散らされたザラッとした砂糖ごと食べ進めていく。将来はベーカリーで働きたいなあと、ぼんやり夢見たのはこのころだ。だが、店はそう長くは続かず、同様に私も夢を忘れてしまった。

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