セブン、事業拡大へ大きな「賭け」 米コンビニ巨額買収 コロナやEV台頭の懸念払拭なるか

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
スピードウエーのガソリンスタンド併設型のコンビニ(右奥)=2月、ニューヨーク(共同)
スピードウエーのガソリンスタンド併設型のコンビニ(右奥)=2月、ニューヨーク(共同)

 セブン&アイ・ホールディングス(HD)が3日発表した米コンビニ業界3位スピードウエーの買収は、2兆円超の巨費を投じる大きな「賭け」となる。新型コロナウイルスなどの影響で小売業界が苦戦する中で打ち出した成長策だが、ガソリン販売に依存する米国での事業拡大が成功につながる保証はない。高値づかみの懸念を払拭(ふっしょく)できるかが課題だ。

狙いは人口増見込める北米市場での事業拡大

 「真のグローバルリテーラー(世界的な小売企業)となる大きな一歩を踏み出す歴史的な統合になる」。3日に電話記者会見したセブン&アイ・HDの井阪隆一社長は、約210億ドル(約2兆2176億円)に上る買収契約を米石油精製大手マラソン・ペトロリアムと結んだ意義を強調した。

 セブン&アイの狙いは、移民などの流入で今後も人口増が見込める北米市場での事業拡大だ。買収で連結営業利益を2021年度に約500億円押し上げ、24年度には約1000億円の買収効果を実現するとの強気の見通しを示す。子会社の米セブン―イレブンは米国首位の9046店舗(19年12月時点)を展開。スピードウエーの約3900店が加わることで、高速道路沿いに郊外型店舗を補えるメリットがある。

 米調査会社によると、19年末時点の米コンビニ店舗数は約15万店。この10年間で約6%増加したが、セブン&アイでも店舗数シェアは6%弱にとどまる。車社会の米国では約8割の店舗がガソリンスタンド(GS)を併設しており、18年の売り上げは65%をガソリンなど燃料が占めた。店舗数では2・6%のスピードウエーだが、GS併設型としては知名度が高く、セブン&アイは買収で業界トップの座を盤石にする考えだ。

買収額合意できずいったんは頓挫

 一方、今年2~3月に行われた交渉では買収額…

この記事は有料記事です。

残り1739文字(全文2484文字)

ご登録から1カ月間は100円

※料金は税別です

あわせて読みたい

注目の特集