米中対立、かたずをのむアジア 「反中」姿勢示せない近隣国の事情

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南シナ海で原子力空母などによる大規模な演習を実施する米軍=2020年7月6日、米海軍提供・AP
南シナ海で原子力空母などによる大規模な演習を実施する米軍=2020年7月6日、米海軍提供・AP

 先鋭化する米国と中国の対立は、安全保障と経済の面で両国と関係の深い日本や東南アジア各国を困惑させている。世界の二極化に対抗する動きは今後出てくるのだろうか。

南シナ海で演習合戦 豪、インドネシアは中国警戒

 「国際法上、無効だ」。7月27~28日にワシントンで外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開催した米国とオーストラリアは、南シナ海のほぼ全域を占める「九段線」で囲った海域に権益が及ぶとする中国の主張について、共同声明でそう非難した。

 豪州政府は同23日付で南シナ海での中国の領有権主張を否定する書簡を国連に提出していた。これまで南シナ海問題で中立的な立場をとっていた豪州が米国に追随したことで、中国包囲網は狭まった格好だ。

 米中の対立は、中国と東南アジア各国が領有権を争う南シナ海でも激しさを増している。7月には中国軍と米軍が同時期に南シナ海で軍事演習を実施したこともあった。

 周辺国で中国に強硬な姿勢を示しているのがインドネシアだ。同国政府は5月に九段線を否定する書簡を国連に提出。ルトノ外相は「インドネシアの見解に一点の曇りもない」とする。海軍は7月下旬に排他的経済水域(EEZ)と九段線の一部が重なる海域で演習を実施。中国漁船が操業を繰り返し、両国がにらみ合ってきた海域だ。

 ただ、東南アジアの国々は中国と地理的に近く、経済面でも関係が深い。小国も多く全面対決はできない。

 南沙(英語名スプラトリー)諸島などの領有権を争うベト…

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