「おかねのけいさん」書かせた平等主義が生む弊害 排除体験と向き合った政治学者・原武史さん

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
放送大の原武史教授=東京都千代田区で2020年1月17日、佐々木順一撮影
放送大の原武史教授=東京都千代田区で2020年1月17日、佐々木順一撮影

 知的・精神障害がある大阪市内の男性(当時36歳)が自治会の役員らに障害者であることを記した書面を書くよう強要され、自殺したとして、男性の両親が自治会と役員らを提訴した問題。専門家に具体例を紹介してもらい、背景を考えるシリーズ3回目は40代半ばまで大規模団地で暮らし、団地について考察した著書も多い政治学者の放送大教授、原武史さんに聞きました。【大迫麻記子/統合デジタル取材センター】

団地という地域共同体の負の面が出た

 今回の問題は、市営住宅で起こった。班長をくじ引きで決めていたが、自殺した男性は障害を理由にくじ引きから外してもらうように役員に頼んだところ、例外は認められないとして障害を書いて皆に回すといわれたという。

 「団地というのは、部屋の間取りはもちろん、コンセントの位置まで同じで、冷蔵庫や洗濯機を置く位置も同じだったりします。そうすると、そこに住んでいる人たちの生活は、一日のサイクルが似通ってしまい、違いが見えにくくなります。暮らしの同質性が進むと、たとえば班長選挙にはみんなが参加しなければならない、という集団主義的な考えが浸透してしまう側面があります」と原さんは言う。

 しかし、今回の男性が知的障害を持っていたよう…

この記事は有料記事です。

残り1297文字(全文1814文字)

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の筆者
すべて見る

ニュース特集