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ラベルに詰まる思い出
今年で24周年を迎える琵琶湖博物館は、開館前に準備室の期間が何年もありました。都道府県立の博物館としては展示室の規模が大きいため、準備室の日々は、その広大な空間に配置する展示を設計・製作するとともに、具体的に展示する資料を収集する期間でもありました。
地方の博物館ではその地域の生き物の標本の展示がかなり大きな空間を占めているのが普通です。琵琶湖博物館でも、リニューアル後のC展示室には「生き物コレクション」として数多くの生物標本が並んでいますが、それらのほとんどは、博物館の開館後に収集・蓄積されたものです。
ところが、私が勤務を始めた時、準備室では、そのように展示できる生物標本はほとんどゼロの状態でした。特に、種類がきわだって多い昆虫類は、開館後は専門の学芸員が2人、さらに調査研究や資料の収集・整理に協力いただいている方々が何人もいますが、準備室では専門の学芸員は1人だけで、協力者も今より限られていたため、湖沼生態系を専門分野として採用された私も、「昆虫少年」だった時代を思い出しながら、久しぶりに昆…
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