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社説

かんぽ不正の処分 体質の改善にはほど遠い

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 保険商品の不正販売問題で、日本郵政グループは傘下のかんぽ生命保険と日本郵便の社員573人を処分した。法令や社内規定の違反行為は約3600件に上り、処分対象者はさらに増える。

 かんぽ生命から保険販売を受託した日本郵便では、顧客に都合の悪い情報を隠すなどして解約や契約を繰り返し、損失を与える行為が横行していた。被害者の多くは高齢者だ。

 処分された現場の営業担当者188人のうち、特に悪質だった6人が懲戒解雇され、2人が停職、40人が減給となった。

 これに対し、監督責任を問われた管理職や本支社の営業責任者らは、ほとんどが戒告や訓戒、注意にとどまっている。妥当な処分といえるだろうか。

 そもそもこの問題は、かんぽ生命の商品が競争力を欠いていたにもかかわらず、過大なノルマを現場に課したことに起因している。

 弁護士による特別調査委員会の報告によると、営業現場の管理職は、悪質な販売行為を黙認するケースもあった。一方で、結果を出せない営業担当者にはパワハラ的な言動で成果を迫ったという。

 ノルマ至上主義の弊害が表面化し、高齢者からの苦情は、2015年度までの4年間で10倍近くに増えた。ところが、経営陣は真剣に取り合わず、見かけ上の苦情件数を減らす小手先の対応に終始していた。

 商品を改善する議論もあったが、コストがかかるといった理由で先送りされている。

 日本郵政の増田寛也社長は、今回の処分で「一つの道筋を付けた」と説明した。昨年7月から自粛している保険営業の再開に向けて検討を進めるという。

 しかし、責任を現場にばかり負わせ、組織全体の問題と捉える視点を欠いたままでは、再発の芽は摘めない。

 日本郵政グループは、本社の旧郵政省キャリア職から郵便局の一般職まで上下意識が強く、風通しの悪さが指摘される。

 グループ全体で問題意識を共有できない限り、企業統治や法令順守意識は改善しない。営業再開を目指すのであれば、意思疎通や経営判断のプロセスがどう変わったかを明確に示す必要がある。

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