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九州豪雨

2020年6月、梅雨前線の影響で九州各地が記録的な大雨に見舞われました。被害や復興の状況を伝えます。

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「父の生きた証し」今も時刻む 浸水自宅で発見 熊本・豪雨で犠牲

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泥の中から見つかった坂中貞雄さんの遺品。形見の腕時計は今も時を刻み続ける=熊本県八代市で3日、成松秋穂撮影
泥の中から見つかった坂中貞雄さんの遺品。形見の腕時計は今も時を刻み続ける=熊本県八代市で3日、成松秋穂撮影

 発生から1カ月がたった九州豪雨で犠牲になった熊本県八代市坂本町坂本の坂中貞雄さん(93)が愛用していた腕時計が、今も時を刻み続けている。球磨川の濁流に襲われ浸水した自宅で見つかったが、泥の中に埋もれても壊れることはなかった。長男達也さん(61)=同市=は「形見として、使い続けたい」と語る。

 達也さんによると、貞雄さんは市内の製紙会社に勤め、地元の区長を務めるなど、住民からも慕われていた。十数年前に妻に先立たれてからは、1人暮らしをしていた。約3年前に太ももの骨を折る大けがをし、リハビリで歩けるようになったがつえが欠かせなくなった。家族は施設への入所を勧めたが、妻が生まれ育った坂本地区を離れることを拒み続けた。

 7月4日朝、球磨川の増水を知った達也さんや達也さんの姉たちは、球磨川沿いで暮らす父の自宅や携帯電話に何度も電話をかけたが、応答がなかった。水が引いた後、天井まで浸水した自宅から変わり果てた姿の貞雄さんが見つかった。

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