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大岡信と戦後日本

86歳で死去した詩人、大岡信氏の多面的な仕事を通し、戦後日本の文化・芸術のありようを検証します。

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/27 宇宙連詩まで 他者との接触に根差して

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「宇宙連詩」シンポジウムで語る毛利衛さん(右から2人目)と大岡信(左から2人目)ら=東京・大手町で2006年10月10日、手塚さや香さん撮影
「宇宙連詩」シンポジウムで語る毛利衛さん(右から2人目)と大岡信(左から2人目)ら=東京・大手町で2006年10月10日、手塚さや香さん撮影

 <丘のうなじがまるで光つたやうではないか/灌木(かんぼく)の葉がいつせいにひるがへつたにすぎないのに//こひびとよ きみの眼はかたつてゐた/あめつちのはじめ 非有(ひゆう)だけがあつた日のふかいへこみを>

 大岡信の詩集『春 少女に』(1978年)の巻頭に収められた詩「丘のうなじ」冒頭2連である。詩集には「深瀬サキに」と献辞がある。妻、かね子さんの劇作家としての筆名だ。

 全22編の詩集は1連2行の形式の作品を多く含み、またかなりの詩編が過去の回想を交えた恋愛詩と呼んでいいものだ。詩壇でも高く評価され、翌79年に無限賞を受賞する。詩人の代表詩集とも目されている。

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