連載

定型の窓から

俳人・片山由美子さんによるエッセーです。

連載一覧

定型の窓から

夏の楽しみ かき氷=片山由美子

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

匙なめて童たのしも夏氷 山口誓子

氷店一卓のみな喪服なる 岡本眸

 ハロハロ、ナムケンサイ、チェー。これが何のことか分かる人は、その方面のマニアといえるかもしれない。アイスカチャン、パッピンスはどうだろうか。それなら聞いたことがあるという人はいそうだ。

 いずれもアジアの夏向きスイーツの名前で、パッピンスといえば、かき氷の代名詞になっているほどである。数年前から日本では韓国と台湾のかき氷がブームとなり、東京のみならず、各地に専門店が増えている。

 かき氷はもちろん夏の季語。猛暑の日々に冷たいものを口にしたくなるのは今も昔も同じで、平安時代には貴族たちが「削り氷(ひ)」、つまりかき氷を口にしていたという。その氷はどこからもたらされたかというと、冬に天然氷を切り出し、山陰に穴を掘って貯蔵してあったもの。4月初めから9月末まで宮中に献上される慣(なら)わしで、保存する場所を氷室といった。

この記事は有料記事です。

残り865文字(全文1257文字)

あわせて読みたい

注目の特集