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理の眼

遠き地にて故郷思う夏=青木理

 東京にしても大阪にしても、その他の都市部で暮らす方々も同じでしょうが、僕のような地方出身者にとって、正月とお盆は1年のうちでも特別な時期。ふだんは糸の切れた凧(たこ)のような生活を送っているくせに、正月とお盆が近づくとにわかに故郷を思い出し、さて今年はいつごろ帰れるかとカレンダーを眺めるのです。

 口では「面倒くさい」と毒づいても、故郷の風に触れると心の芯が和むもの。年齢を重ね、故郷を離れてからの時間が長くなるほど郷愁が深まるのはなぜなのか。迎え入れる親も、慌ただしくなると愚痴りつつ、内心は待ち遠しい思いでいっぱいでしょう。「帰省」という言葉は漢詩に由来し、本来の意味は「故郷に帰って、父母の安否を問うこと」(広辞苑)。

 僕の場合、父が数年前に他界し、現在は80代の母が1人暮らし。元気ですが寂しいらしく、電話で「いつ帰ってくるの」とせっつかれ、実際に帰ると「もっと顔を見せなさい」と叱られたのに、今年はそんな言葉をピタリと聞かなくなりました。理由は言うまでもなくコロナ禍です。

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