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九州豪雨

2020年6月、梅雨前線の影響で九州各地が記録的な大雨に見舞われました。被害や復興の状況を伝えます。

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九州豪雨1カ月 千寿園遺族、整理つかず 母に届け、この無念

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3人が犠牲になった熊本県芦北町の土砂崩れ現場では、亡くなった入江竜一さんの妻と娘2人が手を合わせた。他に亡くなったのは竜一さんの母と祖母。あの日、竜一さんは妻子と妻の実家に帰省中だったが、1人自宅に戻り巻き込まれた。妻は「母と祖母が心配だったんだろう。優しい人でした」と涙ぐんだ=4日午後5時32分、徳野仁子撮影
3人が犠牲になった熊本県芦北町の土砂崩れ現場では、亡くなった入江竜一さんの妻と娘2人が手を合わせた。他に亡くなったのは竜一さんの母と祖母。あの日、竜一さんは妻子と妻の実家に帰省中だったが、1人自宅に戻り巻き込まれた。妻は「母と祖母が心配だったんだろう。優しい人でした」と涙ぐんだ=4日午後5時32分、徳野仁子撮影

 76人が犠牲となった九州豪雨の発生から4日で1カ月がたった。深い愛で包んでくれた母、背中で仕事を教えてくれた父、優しかった夫――。大切な人を濁流や土砂に奪われた遺族らの悲しみは、時間がたっても癒えることはない。あの日から一転して青空となった熊本県南部の被災地では、犠牲者を悼む静かな祈りが広がり、復興を誓って懸命に前を向く遺族もいた。

 「こんな形で母と断ち切られるなんて」。九州豪雨で亡くなった日当(ひあて)タツエさん(当時82歳)の次女、境目美奈子さん(54)=兵庫県明石市=は唇をかんだ。タツエさんは、入所先の熊本県球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」で犠牲となった。あの日から1カ月。母との突然の別れをまだ受け止められないでいる。

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