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記者の目

原爆「黒い雨」訴訟、原告勝訴 伝えたい、内部被ばくの脅威=小山美砂(広島支局)

「黒い雨」訴訟の判決後、全面勝訴の紙を掲げる原告団の弁護士=広島市中区で7月29日、山田尚弘撮影

 私が思う「被爆者」からは抜け落ちていた。1945年8月6日の広島原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びながら国の援護を受けられず、締め出された人たちだ。2017年の入社から広島で平和報道に携わってきた私は、長い間、動かなかったこの問題と昨年まで真正面から向き合ってこなかった。だが、決して避けてはいけなかった。「黒い雨」は戦後75年もの間、置き去りにされ続けた原爆被害者の、まさに目の前の問題だった。

 8月6日の被爆の実相に近づきたい――。そう考えたきっかけは入社1年目の夏、原爆投下から6日後に広島市内に立ち入って被爆した女性の言葉だった。夫は直接被爆しており、女性は「夫の方がひどかった。私は入市被爆だから、原爆の光や音は知らないの」と言った。以降、私は直接被爆者の取材を優先した。光や音、実体験こそが伝えるべき記憶だと思ったからだ。

 「黒い雨訴訟」を18年に担当した当初は気乗りしなかった。黒い雨とは、原爆の爆発で生じた上昇気流で広範囲に降った、放射性物質のついたすすなどを含む雨だ。訴訟は、黒い雨に遭遇したのに国の援護対象から外れた広島県内の住民らが、県と広島市を相手取り、被爆者健康手帳の交付などを求めていた。

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