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発生から1カ月がたった九州豪雨で犠牲になった熊本県八代市坂本町坂本の坂中貞雄さん(93)が愛用していた腕時計が、今も時を刻み続けている。球磨川の濁流に襲われ浸水した自宅で見つかったが、泥の中に埋もれても壊れることはなかった。長男達也さん(61)=同市=は「形見として、大切な時に使い続けたい」と語る。【成松秋穂】
達也さんによると、貞雄さんは市内の製紙会社に勤め、地元の区長を務めるなど、住民からも慕われていた。十数年前に妻に先立たれてからは1人暮らし。約3年前に太ももの骨を折る大けがをし、つえが欠かせなくなった。家族は施設への入所を勧めたが、妻が生まれ育った坂本地区を離れることを拒み続けた。
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