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余録

聖書にはレバノン杉がよく登場する…

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 聖書にはレバノン杉がよく登場する。「麗(うるわ)しき枝、丈(たけ)が高く、頂(いただき)は雲の中にある……その枝葉に空のすべての鳥が、巣をつくり、その枝の下に野のすべての獣は子を産み、その陰にもろもろの国民は住む」▲なるほどレバノン国旗中央のレバノン杉には、キリスト教やイスラム教の諸宗派からなる国民の統一の願いが込められていよう。ちなみに大昔は中東に広大な森をつくっていたレバノン杉だが、乱伐で今はごく一部に残るだけである▲レバノン杉に託された願いも、長年の諸派間の内戦による荒廃、隣国からの難民流入、経済危機や格差拡大による政治の混乱の渦(か)中(ちゅう)にある。そのさなか、かつては「中東のパリ」と呼ばれた首都ベイルートを突然襲った大爆発だった▲ニュース映像に一瞬、目を疑った方もおられよう。白くドーム状に膨れ上がる衝撃波は核爆発を連想させた。港の倉庫の硝酸アンモニウム2750トンの爆発は、街を破壊して5000人以上を死傷させ、今も行方不明者の捜索が続く▲大量の化学物質は税不払いで差し押さえた船から6年前に移して放置されたままだった。爆発の経緯はまだ分からない。だが、30万市民の住居を奪ったものの一つが、政治的混乱の中での行政の機能マヒだったのは間違いなさそうだ▲ニュース映像で目を引いたのは、現場を訪ねた旧宗主国のマクロン仏大統領に住民が政府の無策への不満を訴える姿だった。失われた“レバノン杉”を植え直す手助けを惜しんではならない国際社会である。

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