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アートの地平から

反復に立ち現れる葛藤=住友文彦

 メディアで眼(め)にするイメージの反復。それらにエロティシズムと暴力と機械美が繰り返し現れる。このように形式面から真喜志勉(1941~2015年)の作品の印象を述べても、このコラムの読者の関心は刺激されないだろう。複製画像や大量生産品を転写する手法を多用するポップアートには、見る者の感覚を麻痺(まひ)させるような凡庸さがつきまとう。美術でも文学でも音楽でもいい、引用によって表現を組み立てる作品は、歴史や資本の巨大な力に翻弄(ほんろう)される虚無感を冷徹に見つめながら、そこかしこに自分の痕跡を残そうとする戦略に満ちていることが多い。

 沖縄島民の4分の1が命を失ったとも言われる戦争が終わった時、真喜志は4歳だった。実家は基地の中で洋装店を営み、アメリカ文化に幼少期から親しむ。その後、美術を学びに東京に出た際に前衛芸術運動に触れ、読売アンデパンダン等にも参加し、1964年には故郷へ戻る。

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