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通学や仕事をしながら家族を介護する子ども「ヤングケアラー」問題で、ケアマネジャーのほぼ6人に1人にあたる16・5%が、大人並みに介護を担う子どものいる家庭を担当した経験があることが、毎日新聞などの共同調査でわかった。そうした子どもには学業・心身の不調などの悪影響が出ているとの指摘が多かった。「支援態勢が不十分」という訴えは96・4%を占め、実態把握と対策の必要性が一層鮮明になった。
共同調査は、介護・ヘルスケア事業会社「インターネットインフィニティー」(東京)が運営するケアマネ向けのウェブサイト「ケアマネジメント・オンライン」(ケアマネの会員約9万2000人)を通じ、毎日新聞が作成した質問票を基に6月5~15日に実施。1303人から回答を得た。ケアマネは、要介護・要支援の人の相談に応じ、ケアプラン(介護サービスの計画)作りなどを行う。ケアマネを対象にしたヤングケアラーの全国調査は初めてとみられる。
これまで担当した家庭に「本来なら大人が担うような家族ケアに関わる未成年の子どもがいた」と答えたのは215人(16・5%)。最も印象に残った子1人に絞って尋ねると、性別比は女6対男4で、年代は高校生、中学生、18歳以上、小学生の順に多かった。
ケアの対象(複数回答)は祖母、母親、祖父などの順。ケアの内容(同)は、215人のうち半数以上が「料理・掃除・洗濯などの家事」「食事や着替え、移動の介助など身の回りの世話」「生活の買い物、家の中の修理、重い物を運ぶ」の3項目を挙げた。トイレや入浴、体ふきなどの身体介助▽元気づけるなど感情面のサポート▽服薬管理やたんの吸引といった医療的な世話――などもあった。
介護をする子どもの生活の支障(同)は「学校を休みがち」「部活など課外活動ができない」「情緒が不安定」が主で、「孤立を感じている」「衛生面がおもわしくない」「学力が振るわない」もあった。「支障はない」は215人中30人にとどまった。
支援のために連携すべきだと考える機関は、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーも含む学校が全回答者(1303人)の35・1%で、自治体が31・5%。さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響(複数回答)として「ケアによる疲労・ストレスの増加」が82・5%、「家族でイライラしたりぶつかったりすることが増える」72・2%、「休校や外出自粛で孤立を深める」71・1%などが挙がった。
毎日新聞が総務省の就業構造基本調査を基に行った独自集計では、全国の15~19歳に推計3万7100人のヤングケアラーがいると判明している。
【田中裕之、山田奈緒】
「大人が担うようなケアをする子ども」に限定しても、ケアマネジャーの16%が経験していたという調査結果は驚きだ。教員は子どもの学校生活には詳しいが、家庭の様子は把握しにくい。一方、ケアマネは家族介護に深く関わるだけに家庭の実態が見えており、ヤングケアラーへの対応には関係機関の連携が不可欠だ。
慢性的な病気や障害、精神的な問題などがある祖父母、両親、きょうだいなど、身近な家族の介護や世話をしている子ども。日本に公式な定義はないが、家族を介護する人を支援する日本ケアラー連盟は「大人が担うようなケアの責任を引き受け、家事や家族の世話、介護、感情面のサポートなどを行っている18歳未満の子ども」と位置づけ、支援を訴えている。
郵便は〒100-8051(住所不要)毎日新聞特別報道部「ヤングケアラー」取材班▽メールはtokuhou@mainichi.co.jp▽ファクス03・3212・2813▽取材班のツイッターはhttps://twitter.com/youngcarers_mai
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