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余録

「ミラー・イメージング」とは…

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 「ミラー・イメージング」とは、他者へ鏡像のように自己を投影し、相手も自分と同じように考えるだろうと思ってしまう錯誤をいう。国際政治では対立する国の相互錯視が途方もない危機をもたらすことがある▲ウェルチ著「キューバ危機」は、米国、ソ連、キューバそれぞれのミラー・イメージングが世界を核戦争のふちに立たせた経緯を描いている。破局を辛うじて防いだのは、他者がどう世界を見ているかを理解する「共感」の力だった▲さて、こちらはいかなる鏡の魔力のせいなのだろう。米国務長官が中国の「全体主義」「共産主義」を自由への脅威だとして非難したかと思ったら、今度はその見方を中国側が自ら立証するような香港の民主派への露骨な弾圧である▲中国共産党批判で有名な香港紙創業者や、日本でも知られる民主活動家・周庭(しゅうてい)氏らが香港国家安全維持法違反容疑で逮捕された。新聞の自由の抑圧は同業者として見逃せないし、周氏の釈放を求めるネット投稿が相次いだのも分かる▲おりしも米トランプ政権が香港政府のトップらに制裁を科し、台湾に閣僚を派遣してその民主政治をたたえるさなかだ。中国政府はこれに内政干渉だと反発し、外国勢力との結託を容疑とする香港民主派の拘束で応じたかたちである▲民主主義や人権の何たるかを知る香港の市民社会の命運は、欧米や近隣の国々の市民が息をつめて注目するところだ。中国指導部は、理念的な敗北の必至な「新冷戦」へと自らはまり込んでいくのか。

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