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南光の「偏愛」コレクション

多彩な色の世界「京繡」の道50年 刺繍作家・長艸敏明さんとのトーク拡大版

刺繡作家の長艸敏明さん、純恵さん夫妻と桂南光さん=京都市北区で2020年5月26日、川平愛撮影

 京都の伝統工芸「京繡(きょうぬい)」の刺繡(ししゅう)作家・長艸(ながくさ)敏明さんの作品集『繡(ぬ)えども繡えども』(講談社)が昨年、出版されました。タイトルが示す通り、この道50年の名工による丹念な仕事が詰まった一冊には、幽玄の美をたたえた能衣装からウイットに富んだ軸物まで、多彩な100作品が収められています。「アルチザンとアーティストの間を行ったり来たり」。自身をそう表現する長艸さんの仕事に感銘を受けてきたという桂南光さんが、京都・西陣にある工房「貴了庵(きりょうあん)」を訪ね、刺繡だからこそ表現できる世界に迫りました。【構成・山田夢留】

 桂南光 世界中に刺繡というものがあるわけですけど、この「京繡」の特徴はどういうところにあるんですか。

 長艸敏明 「京繡」という言葉自体は戦後、国の指定で名前が付いたもんで、古いことはないんです。京都では刺繡をやってる家は「繡屋(ぬいや)」というてね。うどん屋、茶わん屋、繡屋。僕は繡屋のせがれ、ちゅうことやね。

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