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聖路加国際病院の「第1波」③4月上旬 迫る医療崩壊 救急搬送要請「断らざるを得なかった」

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院内で会話する坂本史衣・感染管理室マネジャー(右)と能條由紀子看護師=2020年6月11日、梅村直承撮影
院内で会話する坂本史衣・感染管理室マネジャー(右)と能條由紀子看護師=2020年6月11日、梅村直承撮影

 ICUの全8床はすぐに埋まった。政府内で緊急事態宣言の発令が議論されていた4月上旬には、患者全員が人工呼吸器をつけた。普段から「非日常が日常」と言われるICUでも経験したことがない事態。アシスタントナースマネジャーを務める能條由紀子看護師(37)は「心が折れそうだった」と言う。

 24時間体制での患者のケアに人工呼吸器の挿管・抜管の補助、点滴の補充。ただでさえ集中力が必要とされる業務に感染防護の手順が加わった。「レッド」にゾーニングされたベッドサイドから、モニターなどが並ぶ「イエロー」には物品を持ち出さない。部屋カーテンの開閉には必ず手袋を着用する――など。中でも医療用マスクのN95は呼吸がしづらく、すぐに体力を奪われた。他の医療機関では装備の着脱時にスタッフが感染したケースも報告されており、ICU内ではN95をつけっぱなしにしているのが常だった。

 「患者との接触をなるべく減らす」という方針も看護師にとってはジレンマだった。患者のケアを考えれば、こまめに体を拭いたり、床ずれ予防で体位を変えたりしたかったが、それでは感染リスクを高めてしまう。もしスタッフの間で感染が起きればICUの機能は止まる。「やりたい看護」と「感染防御」のはざまで…

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