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戦後75年

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戦後75年

人間の安全保障問う 編集編成局長・砂間裕之

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千鳥ケ淵戦没者墓苑で静かに手を合わせる女性。新型コロナ感染防止のため3密を避けて終戦の日の前に訪れる人が多く、14日は去年の3倍の約300人が戦没者を悼んだ=東京都千代田区で2020年8月14日午後1時14分、吉田航太撮影
千鳥ケ淵戦没者墓苑で静かに手を合わせる女性。新型コロナ感染防止のため3密を避けて終戦の日の前に訪れる人が多く、14日は去年の3倍の約300人が戦没者を悼んだ=東京都千代田区で2020年8月14日午後1時14分、吉田航太撮影

 真珠湾攻撃やミッドウェー海戦を経験した大阪市の語り部、瀧本邦慶(くによし)さんが2018年末、97歳で亡くなった。語り続けたのは、真珠湾ではなく甚大な損害を過小発表したミッドウェーの真実だった。「都合の悪いことを隠す国を誰が信じますか。自分の命は自分で守るしかないですわ」。国への不信を訴えた半生だった。

 5年前、戦後70年の年に60人を超える戦争経験者や遺族を取材した。浜松空襲で家族9人を亡くした男性は「神の国はうそだ」と語り、フィリピンで人肉を食べる日本兵を見た元兵士は「信じられるものは何もなかった」と告白した。無謀な戦争で310万人もの命と国民の信頼を失った国家とは何なのか。その反省から始めたのが、平和国家だったはずである。

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