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「十分な科学的知見に基づいているとは言えない」。厚生労働相の加藤勝信さんの言葉に、えっ?と思った。
75年前、広島への原爆投下後に降った「黒い雨」をめぐる訴訟。国の援護区域外で雨を浴びた住民が勝訴した広島地裁判決に、控訴すると表明した時のコメントだ。
何事につけ根拠は大事。でもこれは、国が胸を張って科学的根拠を要求できる事例なのだろうか。
ここに至る経緯は長い。終戦直後、広島管区気象台の宇田道隆らが住民の聞き取り調査により黒い雨の降雨域を楕円(だえん)で描く。これを基に国が大雨域だけを援護対象区域に指定したのが1976年だ。
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