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加藤陽子の近代史の扉

「復元ポイント」をめぐって 歴史見直し、消極的な日本

 今日8月15日は、戦争終結の詔書が放送されてから75年にあたる。ウイルスによるパンデミックが世界を覆い、感染予防対策と社会経済活動の両立に世界が苦しむ中での特別な夏となった。

 感染が拡大した国々では、PCR検査の規模と目的をめぐる議論、個人の自由と権利の制限をめぐる議論が国を二分して闘われている。注目すべきは、並行して過去の歴史の見直しが急速に進んだことだ。「黒人の命は大事だ」運動の発祥地米国での勢いが顕著である。プリンストン大は、元学長で元大統領のウィルソンを人種差別主義者だとして、公共政策・国際関係学部に冠していた彼の名を削除すると決定した。

 コロナ禍を契機に、国家への国民の信頼は揺らぎ、国家と国民の間の信託や社会契約が途切れた、と感じた人は多かったのではないか。国家と国民の関係が大きく変容する時、人は過去の歴史を振り返る。そして、どこで間違ったのか、その地点を探そうとするのは自然なことだろう。奴隷制に起因する人種差別が米国社会を分断する禍根の一つならば、例えば南北戦争を「復元ポイント」と思い定め、歴史の修復を試みようとしているのだと…

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