中国・武漢の日本人退避 いま振り返る前例なきミッション 植野篤志前中国公使に聞く
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今年1月23日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国湖北省武漢市で飛行機や鉄道を止める「都市封鎖」が突然始まった。日本政府は1月28日~2月17日に5回にわたりチャーター機を派遣し、同省内の日本人や中国人家族ら828人を出国させた。当時北京の在中国大使館ナンバー2の特命全権公使で、第4便まで武漢市で邦人退避を指揮した植野篤志・外務省国際協力局長に話を聞いた。
1200キロの陸路移動
――チャーター機派遣を決めた経緯は。
◆それまで中国語の「封城」(ロックダウン)という単語すら聞いたこともなく、最初は人口1000万人都市の人の出入りを止めるなんてできるのかと思った。
都市封鎖が始まった1月23日に北京のインド大使館主催のレセプションがあり、米国がチャーター機派遣などの対策を検討し始めたと知った。翌24日には、武漢の邦人から「出られなくなったのでなんとかしてほしい」という声が届いた。
中国政府や湖北省・武漢市当局は「武漢在住外国人の脱出は認めるが、北京や上海に移動したのでは封鎖の意味がなくなるので、飛行機で国外に出してほしい」との意向だった。茂木敏充外相から対策を講じるよう指示があり、飛行機による邦人救出の方針が決まった。
――準備をどう進めたのですか。
◆感染症に伴う邦人退避のチャーター機派遣は初めてで手探りだった。最初から関わっていた私を含め北京の在中国大使館の8人ですぐにチームができた。
最初は…
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