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犬が西向きゃ

国際報道に優れたジャーナリストに贈られる「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞した、高尾具成編集委員のコラム。

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犬が西向きゃ

時代が求める想像力=高尾具成

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 将棋の藤井聡太棋聖が対局中、脇息(きょうそく)(ひじ掛け)にもたれ、顔を伏せるような仕草をしていた。相手側から見た盤面をイメージしているそうだ。局面を打開するためなのだろうが自分がいっぱいいっぱいな時、相手の立場からモノを考えるというのは相当に難しい。

 人種差別や外交問題、宗教対立や紛争、そして家庭のいさかいなども他者への想像力があれば、あつれきは減るばかりか、課題解決にもつながる――はずなのに容易ではない。「疫」の時代に入っても人間は「益」を求め、自国や自己を中心に物事を見たり、行動したりしてしまうことに陥りがちだ。

 先日、大阪であった子どもたちの未来に向けたインクルーシブ教育を考えるシンポジウムで、久しぶりにパネリストから示された環日本海諸国図(通称・逆さ地図)を見た。日本海を中心に、富山県が交流を続ける極東ロシアや韓国、中国を含めた北東アジアを大陸側から見たもので、従来の南北を逆転させている。日本列島が普段と違って見えるから不思議だ。

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