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沖縄の負担軽減名目に米軍も自衛隊も… 基地巡る国策に翻弄される住民

訓練を終え築城基地に着陸するF2戦闘機。戦闘機の奥に米軍再編のため延長される予定の滑走路がある=福岡県築上町で、2020年6月23日午後1時8分、宮城裕也撮影

 航空自衛隊築城(ついき)基地の二つの新たな整備・拡張計画を巡り、地元の福岡県築上(ちくじょう)町が揺れている。沖縄の負担軽減の名目で緊急時に米軍機を受け入れるために米軍用の駐機場整備や滑走路延長の計画が進められているだけでなく、それとは別に基地に隣接する農地を買収して災害時に自衛隊機を受け入れる駐機場などの整備も防衛省が予定しているためだ。今でも訓練による騒音や事故の危険性に脅かされている住民たちは、「国策」の名の下に進められようとしている新たな計画に翻弄(ほんろう)されている。【宮城裕也/西部報道部】

 福岡県東部の周防灘(すおうなだ)に面し、築上町、行橋市、みやこ町の1市2町にまたがる築城基地。領空侵犯などに対応する第8航空団や北部九州に接近する目標を撃墜する第7高射隊などが所属し、隊員数は約1500人。敷地面積は約270ヘクタールで、滑走路は長さ2400メートル、F2戦闘機約40機などが配備されている。

 日米両政府は2018年10月、有事などの緊急時に米軍機を受け入れるため、築城基地に米軍用の駐機場と弾薬庫などを新たに整備し、滑走路を約300メートル延長して2700メートルとすることで合意した。これは06年に日米両政府が取り決めた米軍再編計画の一環で、米軍が使用するための築城基地の新たな整備は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還条件の一つとなっているためだ。滑走路を延長する用地は海を埋め立てるため、基地の沖合で現在、調査が進められている。

 防衛省によると、築城基地内に米軍戦闘機12機、輸送機1機が使用できる米軍専用の駐機場を22年度までに整備し、米兵200人を受け入れることができる態勢を整える計画。近隣住民にとっては自衛隊基地の「米軍基地化」とも映る新たな整備計画だが、問題はそれだけにとどまらなかった。この米軍再編に伴う新たな整備で基地内に面積が足りなくなることから、いわば「玉突き」のような形でもう一つの新たな基地の拡張計画が浮上したからだ。

 「防衛省が築城基地を拡張するために今津の土地を買収する予算を概算要求したそうだ」。築上町今津地区の自治会長、大石良一さん(65)が、町役場の応接室で町関係者からそう打ち明けられたのは、日米両政府が築城基地の新たな整備に合意してから約10カ月後の19年8月下旬のこと。基地に隣接する今津地区の農地約14ヘクタールを地権者から買収し、基地を拡張するという計画を防衛省が町に伝えてきたという。「土地が取られ、騒音などの基地被害が起こるかもしれないのに、防衛省は住民に話を通さないつもりなのか」。大石さんは一報に驚きと怒りをにじませた。

 防衛省によると、新たな基地の拡張計画は、現在約40機の自衛隊戦闘機が常駐する築城基地に、災害や有事の際に20機程度の戦闘機や大型輸送機が飛来すると想定したもの。現在の基地の規模では常駐機を置くだけの面積しかないとし、災害や有事の際は常駐機が使っている駐機場で人員や物資の積み下ろしをし、新たに隣接する農地を取得して駐機場を整備、そこに移動させた常駐機を置く――とする計画だった。

 基地周辺では既に自衛隊の訓練や領空侵犯に対する夜間や早朝の緊急発進による騒音被害が生じており、米軍再編に伴う整備計画に続く新たな拡張計画に、住民からは「基地が拡張されて新たな駐機場ができれば、さらに騒音が増すのでは」と不安が相次いだ。

 防衛省は19年9月から、非公式も含めて住民への説明会を5回実施。住民からは「基地を拡張すれば、米軍も使用するのでは」と指摘したが、防衛省は「基地拡張計画は米軍再編計画とは別の話」と繰り返した。

 実は拡張計画は07年にもあった。この時は燃料タンクなどの整備のために…

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