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SUNDAY LIBRARY

上原 隆・評『さよなら、俺たち』『念入りに殺された男』

自分だけが変わるのではなく、みんなで変わろうという時代に

◆『さよなら、俺たち』清田隆之・著(スタンド・ブックス/税別1700円)

◆『念入りに殺された男』エルザ・マルポ/著 加藤かおり/訳(早川書房/税別1700円)

 およそ30年前に私は『上野千鶴子なんかこわくない』という本を書いた。題名から上野批判と思うかもしれないが、そうではない。エドワード・オールビーの戯曲「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」(映画にもなっている)をもじって洒落(しゃれ)たつもりだった。で、内容はというと、フェミニズムに目覚めた上野ファンの妻に責められ、論争になり、「離婚したい」といわれ、あたふたする私自身のドキュメントだ。彼女は離婚したい理由を二つあげた。「あなたのためにする家事の時間を自分のために使いたい」「人を馬鹿にしたようなあなたの態度がイヤ」。私は、上野のフェミニズム理論を勉強し、「男は仕事、女は家事」という性別役割分業に乗っかっていた私を変えなければならないと思い、料理も洗濯も掃除もやるようにした。ひとつ屋根の下で暮らす同居人のようになった。離婚したくない私は、それでもいいと思った。本を出してから数年後、結局、離婚したのだけれど。

 その後、女性差別はセクハラやDVや#MeTooや医学部入試といった社会問題として顕在化している。清田隆之『さよなら、俺たち』は、そんな社会の中での男性の在り方を描いている。彼は1200人以上の女性から悩みを聞いた。彼女たちが問題と感じている男性の言動はどれも似通っていて、まるで同一人物のことのようだったという。たとえば、女性に面倒を押しつける。話をしっかり聞かない。説教する。なんでも恋愛文脈で受…

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