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SUNDAY LIBRARY

三浦 天紗子・評『あがない』倉数茂・著

流される人間の弱さと汚名をそそぐ強さと

◆『あがない』倉数茂・著(河出書房新社/税別1900円)

 主人公の茅萱祐(ちがやたすく)は20代で抗不安薬の依存症になり、薬物欲しさに犯罪の片棒を担いだ過去を持つ。妊娠中だった妻さえも疎み、ささやかな幸せは壊れた。それから13年の月日が経(た)ったいまも、ちょっとしたきっかけでまた泥沼にはまり込んでしまうのを恐れている。偏屈だが気の置けない独居老人・嘉平の様子うかがいついでにゴミ出しや買い物を代わってあげるのは、そうした人づきあいを、安寧な暮らしの命綱にしているからだろう。実際、依存症というのは、病気が寛解し、晴れ晴れとした心境で生きられるようなものではないことが、41歳になった祐の苦悩を通して伝わってくる。〈いつになく連想が地の底を這(は)う暗い水に移った。地下の水脈は決して途切…

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