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再思三省

第89回 人と心と月と

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 「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

その「目」必要ですか?

 被爆から75年目→被爆から75年

 算定の基準に注意を要するものの例です。「目」の数え方は最初の年を1として数えます。被爆のように起点が明確な場合、1945年8月6日または9日から数えますから今回は76年目に当たります。今年は「75」という数字が大切なはず。原文や発言をそのまま記述する必要のない場合は「目」を取ってください。同様に「戦後75年目」ともしません。なお起点の日の日付の朝刊から「被爆75年を迎えた」などと過去形にします。

人と心と月と

 総額1600憶円→総額1600億円

 「おくえん」で変換すれば決して間違うことはなさそうなこのミス、それでもコンスタントに見かけます。そのほか「おく」の直しで多いのは「臆」と「憶」の使い分け。2010年の常用漢字表改定まで「臆」の字は使えず、「憶測」「憶説」と「憶」で代用していたため今でも時々“懐かしい姿”で現れることが。現在は「臆測」「臆説」と月へんです。「へん」にはご注意ください。

おそろしいほどこわい

 恐い→怖い、恐ろしい

 常用漢字表では「恐」に「こわ(い)」という読み方はなく、「こわい」は「怖」を使います。「恐」の訓読みは、恐れる、恐ろしいなど「おそ」のみ。大辞泉(小学館)によると、「恐ろしい」は「怖い」に比べて、より客観的に対象の危険性を表すそうです。さて、訂正は「怖い」ものなのか、「恐ろしい」ものなのか……?

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