メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

 出ておいで、と声がした。

 そこに別の声が続いた。

 怖くないよ。何もしないから、何も痛くないから、出ておいで。

 それを聞いて、「痛くない? なんでわざわざそんなことを言うの? 本当は痛い、すごく痛いんじゃないの? 怖くない、って言ってるのは、本当は怖いからじゃないの? そうだ、きっとそうだ」と不安がる声は、誰のものなのか、いや誰のものでもなく、ほかならぬ僕のもののようだった。

 自分がどこにいるのかわからなかったものの、呼びかけてくる声の主たちを探すと、まるで望遠鏡を覗(のぞ)いているみたいに、先のほうに明るい光の環があって、そこに子供がふたりいるのが見えた。

この記事は有料記事です。

残り1924文字(全文2206文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「都構想説明パンフは違法」 大阪市長らに約1億円返還求め住民訴訟

  2. コロナで変わる世界 国家ぐるみの偽情報にどう立ち向かう? インテリジェンス研究者に聞く

  3. 際立つ大阪のコロナ死 その理由、高齢者の「命のリスク」高める構図とは

  4. 自公、北海道2区補選で「不戦敗」選択 惨敗すれば首相の責任論 吉川元農相在宅起訴

  5. 元慰安婦賠償判決 差し押さえの可能性が否定できない日本政府の資産とは

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです