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#最後の1年

日本バレー界のダイヤの原石、61歳差、「鬼」の名伯楽と対決の日々

レシーブ練習で萩原秀雄さん(右)の投げるボールに必死に食らいつく徳留巧大=埼玉県坂戸市の桜中で2020年6月28日午後4時27分、小林悠太撮影

 約半年ぶりの実戦の場はシューズが床で鳴らすキュッという響きさえも心地よかった。新型コロナウイルスの影響で、中学バレーボール界の今季の全ての主要大会が中止となり、8月4日、埼玉県内に男子の有志9チームが集まり、開かれた独自の交流試合。同県坂戸市の市立桜中バレー部3年、徳留巧大(とくとめ・こうた、15歳)は185センチの長身を生かし、断トツの数のスパイクを決めた。焼けた肌は活動休止中も努力を重ねた証し。日本協会の強化事業本部長などを歴任してきた名伯楽、萩原秀雄さん(76)が「バレー界への最後の奉公」と日本代表に送り込むため手塩にかける「ダイヤの原石」だ。

 徳留はバレー一家に生まれ育った。日本体育大でプレーした父清智(きよとも)さん(54)は強豪・埼玉県立坂戸西高の男子バレー部監督で、同校3年の兄聖大(せいた)さん(18)も所属する。母美佐保さん(48)は東京学芸大のエースとして全日本大学選手権4強に入った経験を持ち、埼玉県西部地区を本拠とするクラブチーム「アザレア」の小学生チームの監督を務める。徳留はそこで小学1年から競技を始めた。

 小学生時代から父に付いてよく高校の体育館に行った。大人用のボールでサーブを打ち、自然と肩回りの筋肉が強化された。家の中ではソファの背もたれをネット代わりに兄とボールを打ち合った。ある日、ボールが当たって食器が割れたが、美佐保さんは「バレーを楽しくやってくれるなら、窓ガラスが割れても構わない」ととがめなかった。休みの日は早起きし、バレーの国際大会の録画を食い入るように見た。小学2年でスパイクやジャンプフローターサーブを打てるようになったセンスに加え、身長も毎年5~8センチほど伸び続けた。

 その才能に目を付けたのが、桜中で外部指導者を務める萩原さんだった。萩原さんは、清智さんの前任の坂戸西高監督で、新設校だったチームを全国大会に13回導き、日本代表に巣立った米山裕太(35)=東レ=らを育てた。2005年に教員を定年退職後は日本協会で強化責任者を担った。08年北京オリンピックでバレー日本代表のチームリーダーを務めた後、NPO法人の発起人として09年に結成したのがアザレアだった。萩原さんはジュニア育成の一環として、活動エリアにある桜中を連日、指導するようになり、徳留という原石に出会った。中学入学時…

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小林悠太

毎日新聞東京本社運動部。1983年、埼玉県生まれ。2006年入社。甲府支局、西部運動課を経て、16年から東京本社運動部。リオデジャネイロ五輪を現地取材した。バドミントン、陸上、バレーボールなどを担当。学生時代、184センチの身長を生かそうとバレーに熱中。幼稚園児の長男、次男とバレーのパスをするのが目下の夢。

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