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先生はオリンピックに出る! コロナで「暗闇」…でも見せたい教師の背中

「1年後に向けて、スタミナもスピードもパワーも上げていきたい」と話す今井美穂=群馬県高崎市の箕郷ふれあい公園で2020年7月12日午前9時54分、黒川優撮影

 「先生の夢は何?」。そう聞かれてすぐに答えられる学校の先生はどれだけいるだろうか。今夏、一人の小学校教師は夢をかなえていたはずだった。だが、新型コロナウイルスによってその実現が遠のいた。東京オリンピック代表でもある先生の胸に「暗闇」の中でよぎる思いとは――。

 東に赤城山、西に榛名山(はるなさん)と深緑の山々を望む群馬県高崎市。山中を抜ける県道が、東京五輪自転車マウンテンバイク(MTB)女子の日本代表、今井美穂(33)=CO2bicycle=の日課の練習コースの一つだ。辺りには街灯も信号機もほとんどなく、小学校の勤務を終えて練習が始まる頃には真っ暗だ。「本番が目の前だと思って張り詰めていたのに、いきなり延期が決まった。他のレースも次々と中止になって、もう自分が世界でどの位置にいるのか分からない」。文字通りの「暗闇」の中で、さまざまな思いが頭をよぎる。

 隣接する富岡市出身。幼い頃から自然の中を駆け回って育った。中学1年の時、2000年シドニー五輪女子マラソンで高橋尚子が金メダルを獲得したのをテレビで見て「私もこんなふうになれたらいいな」とあこがれて陸上競技に励んだが、全国レベルではなかった。それでも富岡東高を経て、東京女子体育大に進み、大学4年時には初めて七種競技で日本学生対校選手権に出場することができた。

 大学卒業後は地元で教員の道に進み、趣味で始めたのが自転車だった。通勤用に購入したのが未舗装の悪路を走るシクロクロス(CX)向けの自転車だったことからレースに参加。すぐに夢中になった。その後、同じオフロードを走るMTBが五輪種目であることを知った。

 MTBは自然の中に造られた岩場や急勾配のあるコースで競われる自転車種目。1996年アトランタ五輪で初めて採用され、東京五輪は静岡県伊豆市の1周4・1キロ、高低差約150メートルの特設コースで行われる予定だ。日本自転車競技連盟によると、競技人口は国内に約1100人で、女子はその1割程度とされる。海外にはプロ選手も多いが、国内ではマイナー競技の域を出ない。日本代表は男女とも五輪で入賞歴はなく、女子は前回のリオデジャネイロ五輪に出場すらできなかった。だからこそ開催国枠のある東京五輪は絶好の機会に映った。「もしかしたら五輪に出られるかもしれない」

 平日は午後7時ごろまで学校で勤務した後に2時間…

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黒川優

毎日新聞東京本社運動部。1990年、埼玉県生まれ。2014年入社。松山支局、神戸支局を経て19年5月から現職。サッカー、ラグビーなどを担当し、現在は主に大相撲を取材。本気で大銀杏を結おうとして、19年夏ごろから半年ほど髪を伸ばし続けていたが、思った以上に周囲からの評判が悪く、やむなく「断髪」した。

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