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パラアスリート交差点2020

やってみる バスケ愛、初心取り戻す=車いすバスケットボール・鳥海連志

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 新型コロナウイルスの影響で制限されていた練習が、7月から本格的に再開されました。所属するパラ神奈川スポーツクラブでは、以前と変わらず週2回、チームで集まるようになりました。3月から中断していた日本代表の強化合宿も7月1日に静岡県でスタートしましたが、参加を見送りました。感染者の多い関東で生活しているため、移動に伴うリスクを考えました。

 緊急事態宣言が出ていた4~5月は体育館やジムを利用できず、筋力トレーニングや自宅近くでの走り込みをこなしていました。不安な中で支えになったのが、テレビ会議システムを使った練習です。はじめは代表チームのトレーナーの呼び掛けで選手が集まり、それぞれの自宅で腕立て伏せや背筋、スクワットなどをこなすサーキットトレーニングに取り組みました。互いに会えない日が続いていても、「今はどんな感じ?」と近況も報告し合えたのは大きかったですね。

 長かった自宅生活で、僕はヘアスタイルを変えることに楽しみを見つけていました。肩ほどまで髪を伸ばしていた時期もありましたが、美容室に行けないこともあり、思い切ってバリカンで坊主頭に。さらに、カラーリングで気分を一新した時期もあります。

 東京パラリンピックの1年延期が決まった当初は「またきついトレーニングを乗り越えないといけないのか」と、思わず苦笑いをしてしまいました。何より、プレーヤーとしての人生設計を変更せざるを得なかったことがこたえました。出場すれば2回目のパラリンピックになる東京大会を終えた後、今年の秋には海外リーグでプレーする決意を固めていたからです。計画も1年ずれましたが、今はコロナウイルスとうまく付き合っていきながら、国内での活動に専念するよう、気持ちを切り替えています。

 ただ、競技に純粋に打ち込みたいという意識は、今までよりも強いものになったように思います。満足にプレーできなかった期間が3カ月ほど続くと、日に日に「早くバスケがしたい、試合がしたい」という気持ちでいっぱいになってきました。日本代表としてプレーしていくうちに「どうしたらうまくなるか」ということばかりを考えていた気がします。所属チームでもスタッフが練習環境を整えてくれたこともあり、毎日プレーするのが当たり前になっていたのです。外出すら満足にできなかった期間を経て、忘れていた初心を取り戻すことができました。

 「バスケを楽しみたい」という感覚を味わうのは、競技を始めた中学生以来かもしれません。振り返ってみれば、当時は楽しいからプレーをしていて、その延長線上でうまくなっていました。原点に立ち返った今なら「この1年で新たに成長できる」と前向きに捉えることができます。=次回は11月掲載予定


 ■人物略歴

鳥海連志(ちょうかい・れんし)氏

 長崎市出身。手や脚に先天性の障害があり、3歳で両膝下を切断。中学1年で車いすバスケットボールを始め、高校1年で日本代表入りした。2016年リオデジャネイロ・パラリンピック代表。17年のU23(23歳以下)世界選手権でベスト5(優秀選手)に選ばれた。WOWOW所属。21歳。(タイトルは自筆)

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