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保存と創造の「バウムクーヘン都市」を未来へ 「金沢建築館」誕生1年

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7月末で開館1年を迎えた「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」。世界的建築家の谷口吉生さんが設計し、名誉館長を務める=金沢市で7月31日、清水有香撮影
7月末で開館1年を迎えた「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」。世界的建築家の谷口吉生さんが設計し、名誉館長を務める=金沢市で7月31日、清水有香撮影

 「建築の街」として注目される金沢に、全国でも珍しい建築専門ミュージアム「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」が誕生して7月末で1年を迎えた。開館41日目に入館者が1万人を数えるなど順調な船出だったが、今春はコロナ禍に伴う長期休館も余儀なくされた。館長で金沢工業大教授の水野一郎さん(79)は「近年は現代建築に対する市民の関心も高まっている」と手応えを語りつつ、「過去と現代の建築文化を未来へ渡すにはどうしたらいいか、皆さんと一緒に考えたい」とこの先を見据える。

 同館は文化勲章受章者の建築家、谷口吉郎(1904~79年)の生家跡に建てられた。米ニューヨーク近代美術館新館などを手がけた世界的建築家の長男・吉生さんが設計し、名誉館長を務める。直線が美しい鉄とガラスの現代建築は、すだれや庇(ひさし)といった和の要素も取り込み、寺院が集まる周囲の景観になじむ。吉郎の代表作「迎賓館赤坂離宮和風別館」(東京・74年)の大広間と茶室を再現する常設展示のほか、建築文化を広く発信する企画展示がある。

古い町並みと現代建築が調和

 戦災を免れた金沢には、武家屋敷跡や茶屋街など江戸時代以降の古い町並みが残る一方、金…

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