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「神様のご褒美」三田佳子さん NHK「すぐ死ぬんだから」で23年ぶり連ドラ主演

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ヒロイン忍ハナを、役と同年齢78歳の三田佳子が演じる=NHK提供
ヒロイン忍ハナを、役と同年齢78歳の三田佳子が演じる=NHK提供

 久しぶりに女優、三田佳子が帰ってきた。8月23日から始まるNHKBSプレミアム「すぐ死ぬんだから」(日曜午後10時、全5話)を見て、うれしくなった。三田は1980~90年代、数々のテレビドラマや映画、舞台に主演。さまざまな苦難に見舞われても、周囲をパッと明るくするような、一本筋が通った華のあるヒロインがよくはまった。しかし、自身の病気などで次第に出演作品は減少。最近は脇を固めることが多い。そんな三田が連続ドラマに23年ぶりに主演。老いを少しでも遠ざけようと、見た目にこだわり、若く見せる努力を重ねるヒロイン、忍(おし)ハナをかわいらしく演じている。【佐々本浩材】

 脚本家でもある内館牧子の同名小説をドラマ化。小説で78歳の設定だったハナを同じ78歳の三田が演じている。しかも、今年は芸能生活60周年の節目の年だ。

 「本当、運命的で、こんなことはあり得ないです。内館さんが78歳の主人公をお書きになって、それが今78の私にリンクした。計算でできるものじゃないですよね。私の俳優生活の中でも唯一無二の出会い。60年もやってれば、あれもこれもと他の作品も挙げられるけれど、これは一生思い出に残る、大事な作品」

 ハナは夫の岩造(小野武彦)と営んでいた酒店を息子、雪男(村杉蟬之介)に譲り、今は近所のマンションで隠居生活を送っている。折り紙だけが趣味の岩造は「ハナと結婚してよかった」が口癖だ。優しい夫や子供や孫にも囲まれ、幸せな老後を送っていた。そんな折、岩造に異変が起こり、第2話以降、ハナを巡る環境は急変。嵐に巻き込まれていく。

 60歳を超えたら実年齢に見られない努力をするべきだ、という信条を持つハナ。10年ぶりに開かれた同期会では、「無理して若作りして」と言う女友達の前で、「年とともにナチュラルという人いるでしょ。あれも危険よねえ。要は面倒くさがりの無精になるということだから」と言い放つ。ただ、家に帰ると、娘の苺(松下由樹)には「その年になると、普通の人より派手な服を着ているだけで奇抜なの。今はいいよ、ちゃんと奇麗。でもここがボーダーライン。ギリだから」と注意されたりするため、嫌みなキャラクターにならない。周囲の視線をよそに、ひとり鼻高々で奔放に生きる小説のキャラクターと微妙に異なる。

 「小説は1冊の本ですから、そういう感じで読ませて、あとでどんでん返ししになる。テレビは一話一話で視聴者を引き込んでいかなきゃいけないので、今回は脚本の長田育恵さんがとてもうまく書いてくださった。長田さんの脚本が面白くて、脚本家でもある原作者(内館)が満足して面白いわねって褒めてくださっていますから…

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